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Porcupine Tree @ 昭和女子大学人見記念講堂

Porcupine Tree@昭和女子大学人見記念講堂に行ってきました。

stevenwilson
Porcupine Tree(以下PT)は英国人Steven Wilson(写真)率いる4人組。Steven WilsonはPTの他にもNo-Man、Bass Communion、Blackfield、I.E.M.など様々なユニットで活動していることからもうかがえるように、音楽性の幅がとても広い人物。中でもPTは、「サイケデリック」「プログレ」「叙情的」「HM」「HR」などのキーワードで語られることが多いバンドです。私としては、哀愁を帯びた美メロと、ひとつの楽曲の中に様々な要素が盛り込まれているところが気に入っています。
まだの方はぜひMyspaceで試聴を!
オフィシャルサイト
Myspace
Steven Wilson JPBO 

以下、だらだら長文レポです(笑)
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2006年11月30日 | Comments(2) | Trackback(0) | 音楽[P]

古川日出男「サウンドトラック」

しつこいようですが、2007年スタート予定です。
でも、フライング第2弾(笑)。

最近、古川日出男さんの作品をあれこれ読み倒していまして、昨日「サウンドトラック」を読み終えました。

これ、マンガですね。

マンガという媒体に失礼かもしれませんが、私が普段、小説をさして「これはマンガだね」とか「マンガ的だ」と言いたくなるのはネガティブな場合が多いです。マンガ的と呼びたくなる小説は、登場人物が不自然なほど美男美女ばっかりだったり、出来すぎなことばかり起きたり。そこに描かれる感動なども、登場人物たちのリアルな生き様の結果として生じた感動というよりも、あらかじめ読者を感動させるために登場人物が紙の上を動かされている印象が色濃かったりして。そういう小説を「マンガ的」と呼びたくなるのです。

でも、古川日出男の小説をマンガ的と呼ぶのは、それとはちょっと違う。作者のイマジネーションが、筆の暴走が、小説の枠に収まりきらないために生じてしまう極端なデフォルメ。極端な飛躍。その暴走のエネルギーが作為によらない、本物であることが伝わってくるから、絵ではなく言葉で描かれたマンガがあってもいいじゃないか、と私は受け入れることができたのでした。

ストーリーは相当はちゃめちゃで、最後にパズルのピースがぴたっとあるべき場所に納まるような、緻密に「まとまった」小説しか許容できない人にはお薦めできません。パズルの4周が、まっすぐな直線で閉じられるのではなくて、他のピースを必要とする凹凸のまま終了してしまったような読後感。

それでも読まずにいられないのは、古川作品の疾走感、激しいビート感に自分の感性の一部が覚醒させられるような感覚が、ある種の音楽がもたらす感覚に酷似しているから。彼の小説はアタマで読むというより、身体でビートを感じるべきものなのかもしれません。

ストーリーは;南の無人島にそれぞれ別の事情で偶然漂着した男女二人の幼児が野生児としてサバイバルした後、人間社会に「保護」される。兄妹として養育された二人はやがて別々の道を歩むが、それぞれ独自の破壊的能力を身につけていった。ヒートアイランド現象が加速し、気候の熱帯化、伝染病の蔓延、移民排斥問題などで疲弊する近未来(というよりデフォルメされた現在と言えるかも)の東京にやってきた二人と、少年と少女の両性を使い分けるアラビア系移民のレニ。この3人が、それぞれの動機から破壊行動をくりひろげる……。といった内容。

この3人の少年・少女たちの破壊のメソッドは、舞踏、無声映画など、アーティスティックでカッコいいのだけれども、破壊の動機そのものは実に直感的。当然、イデオロギーのかけらもありません。「なぜ、これを」「なんのために」と考えることなく、ひたすら疾走、ひたすら炸裂。

この直感的破壊行動の暴走を「まあ、マンガみたいな小説での出来事だから」と読み流すことの出来ない自分がいます。ここに描かれているのはデフォルメではなく、実はかなり正鵠を得た現状かもしれません。いみじくも「サウンドトラック」の次に読み始めた、スラヴォイ・ジジェクの「人権と国家」(集英社新書)に、このような記述がありました。
「(2005年のパリ暴動を評して)それは、我々のイデオロギー的・政治的な現状について多くを物語っている。選択の自由が保障されていると自画自賛している一方で、強引な民主主義的コンセンサス以外の選択肢としては、行き当たりばったりの暴動しかのこされていない社会に我々は生きているのだ」
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2006年11月28日 | Comments(0) | Trackback(0) | 小説

記憶の宅急便

※このブログは2007年スタート予定ですが、特別な日なので今日だけフライング。

amnesiac's music box(記憶喪失者のオルゴール)というブログ名ですけれども、生きていると忘れたいこともあれば(苦笑)、ずっと大切に覚えていたいこともあります。
記念すべき最初の記事は、後者について。

今日は祖母の命日なのですが、祖母は亡くなるまでの10年あまり、アルツハイマー病を患っていました。私が大学に入学した時はまだ元気で、入学式に出席するためわざわざ田舎から上京してきたくらい(祖母が入学式出席なんて気合入りすぎです 苦笑)。でもその後急速に記憶が衰えはじめ、7年後の私の結婚式にはもう参列できない状態になってしまったのです。

私は初孫ということもあり、それは大層可愛がってもらったものですが、初めての曾孫(=私の息子)が誕生した頃にはすっかり私の事も誰だか分からなくなっていました。でも老齢だし、アルツハイマーなのだし仕方がない、今までどうもありがとう、と諦めたつもりでいました。

そんなある日。亡くなる1年ほど前だったと思うのですが、祖父母の家に夏休みか冬休みに滞在していた時のことです。一日の大半をぼんやりソファに腰掛けてすごし、すっかり呆けた顔が定着していた祖母が私の顔を見て、急に驚いた表情を浮かべたのです。
「あなた!どちらさまですか?綺麗な人だねぇ。はぁ~(感心)」
(注:審美眼もかなりおかしくなっていたと思われます -.-;)

「やぁだ、おばあちゃん何言ってるの(笑)?」などと口をはさむ間もなく、わざわざ母(日々の介護を常に担当)まで呼びつけて、「ちょっと、あんた!来てごらんよ。この人綺麗だね~。あなたと大違いだね。よっぽど綺麗だよ、この人のほうが、うんうん。」と、勝手に納得してる。憮然とする母(そりゃそうだ)。

「もうおばあちゃんたら、30代の人と60代を同列に比べるのはどうかと思うよ、ほら、お母さんムッとしてるじゃない!!」なんて笑い飛ばしたい思いと同時に、号泣したい衝動が眉間の奥から「つーん」と押し寄せてきて、笑いと号泣の間に引き裂かれるような何とも言えない気分でした。その時自分がどんな表情を浮かべていたのか分かりません。

おばあちゃんが私のことを忘れても、今まであんまり残念に思わないようにしてきた。残念に思ってもおばあちゃんの記憶は戻ってこないから。でも、よく分からないけど見覚えはある人、程度の親近感は持ち続けてくれていると勝手に思っていたから、驚いた顔をされるのは、ちょっとつらかった。
本当に忘れちゃったんだね。

夏休みや冬休みに遊びに来るたびに、おばあちゃんがおもちゃを買ってくれたんだよ。ティーンエイジャーになったら、季節が変わるごとに「新しいお洋服が欲しいよね?」と、おこづかいを送ってくれた。毎朝毎朝、神棚と仏壇に向かって(宗教的には少し問題かも)孫たちのことをお祈りしてくれていたんだよ。
おばあちゃんが忘れてしまったのなら、私がかわりに覚えておいてあげるね。いつまでも。

もし、眉間に押し寄せる「つーん」に負けていなかったら、祖母にこう言いたかった。でも言えなかったので、今、こうして書いておきます。

せっかちで心配性だった祖母は、大切な記憶を一足早くあの世に宅急便で送ってしまったのかもしれません。今頃は無事宅急便を受け取って、3年後に合流した祖父とにぎやかにやっているんじゃないかな。

私は自分の記憶を死ぬまでたずさえていられるのか、それとも祖母のように先に宅急便で送ることになるのか、まだ分かりません。でも、記憶の続くまで、大切に覚えていたいことがたくさんあります。このブログではそうしたことも書きとどめていきたいと思います。



ここで、記憶と忘却にまつわる曲を。
こちらはマンチェスターの5人組、Elbowの2005年のシングル。
枯れた味わいと同時にサイケな空気も漂う、渋いロックに仕上がっています。何といっても、ヴォーカルのガイ・ガーヴェイの繊細なハスキー声が魅力的。

Elbow / Forget Myself



♪No, I know
I won't forget you
but I’ll forget myself
if the city will forgive me


Leaders of the Free World Leaders of the Free World
Elbow (2006/02/21)
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2006年11月19日 | 音楽[E]
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